2007年01月12日

格差問題に取り組む―安心と希望の未来に向けて

2007年1月12日
新年、おめでとうございます。 今年は丁亥(ひのとい)です。「亥」は無病息災の象徴だという説明がありました。この文字が「とざす」という意味を持っていて、草木の生命力が種に閉じこめられた状態を表しているのだそうです。また、「殻を打ち破って飛び出す」という意味もあるそうです。気持ちを滅入らせることの多かった2006年を超えて、明るい未来につながる2007年のために、それぞれの場所で希望を持って働く1年にするための政治の責任を実感します。何より、皆様が健康に恵まれますように。

「いざなぎ超え」のなかの「格差拡大」

昨年は景気拡大が言われる一方、「格差」の問題が、ますますはっきりと私たちに迫ってきました

昨年11月、景気の拡大局面が58ヶ月連続となり、「いざなぎ景気を超えた」と盛んに言われました。しかし、今日の私たちの暮らしが「いざなぎ超え」の中にあると言われてもピンとこない方が多いのは当然です。いざなぎ景気と今回の「景気回復」では、大分様子が違うからです。例えば、いざなぎ景気の時の経済成長率が11.5%だったのに対し、今回は2.4%。いざなぎ景気の時に所得が2倍以上になったのに対し、今回はマイナス1.4%。現金給与も、「景気回復」が始まった2002年の2月に34万3,000円だったのが、昨年10月の数字で27万7,990円に下がってしまいました。

経済成長率も低く、給与も下がっているのでは豊かさを実感できるはずもありませんが、それだけではありません。勝ち組・負け組という言葉が象徴するように、「景気」の恩恵を受ける人たちと、受けない人たちの格差が拡大しています。87%の国民が所得格差拡大を実感しているという調査結果もあります。象徴的なのは「無貯蓄世帯」が増えていることで、10年前に1割だったのが、昨年の調査で23.9%。およそ4世帯に1世帯が貯蓄無しとなっていて、2010年には、この数字が3分の1になるという予測もあります。

怖いのは、こうした所得や資産の格差が、医療の格差、教育の格差につながりつつあることです。教育の格差は、経済的に困難な家庭の子どもたちの教育の機会を制約し、格差が世代を超えて固定化してしまう危険があります。

格差拡大の原因 民主党の政策

格差問題の要因の中で政治課題として大きいのは、乱暴な規制緩和と社会保障制度の弱体化、弱いところを狙い打ちする負担増負担増です。とくに所得税、住民税、健康保険料、介護保険料、医療費が上がったお年寄りから悲鳴が聞こえています。

ちろん、規制の改革は必要です。しかし、小泉政権の5年5ヶ月、規制緩和で競争をつくり出し、経済を効率化させるなか、過度のコスト競争が賃金・労働条件の悪化と安全性の低下を、利益優先が公共性の喪失を招いてきました。

例えば「労働の規制緩和」です。2004年施行の改正労働者派遣法で、派遣労働の期間を3年に延長し、製造業にまで広げたことで「働かせる側の自由」を拡大しました。こうした「規制緩和」で労働者への分配率を下げ、コストカットをして企業収益を高めた結果が「景気回復」を大きく後押ししました。しかし同時にそれは、15?24歳の若者と女性の2人に1人が非正社員などと言った今日の状況に無関係ではないのです。後を受けた安倍政権がいくら「再チャレンジ」と言っても、1回ルートからはずれた人たちが、どれくらい這い上がれるでしょうか。

評論家の内橋克人さんが1995年に規制緩和について、「プラスの効果が働く場所とマイナスの副作用が現れる場所が違う」と指摘されました。「権力の決定機構に近い集団は当面プラスの作用を受ける」が、「サラリーマンを含む勤労者、中小企業、地方生活者、年金生活者といった集団は、激流のなかに放り出され、多くの人々が辛酸を嘗めることになるだろう」と言うのです。12年後の今を予見したような言葉です。

規制緩和の失敗が分かりやすい形で現れたのは、仙台のタクシーの状況です。台数が増えた結果、駅前に客待ちのタクシーが長い列をつくる一方、過当競争で、毎日、早朝から深夜まで乗る運転手さんも増えました。国交省幹部が「質の下がった、安全上問題のあるサービスへの対応に明確な方針がなく、手段も不十分だった」と認めたという報道も目にしました。やみくもに緩和して後をすっかり市場に委ねるのではなく、きちんとした政策的なケアが必要です。

労働や福祉、医療、教育、住宅、交通などの分野の規制緩和は、ひとつひとつ公共性との関係を慎重に検討しながら、トータルな制度設計の中でされるべきなのです。同時にワークルールやセーフティーネットの再構築が必要です。民主党は昨年の暮れに「民主党のめざす労働契約法案と労働時間法制(案)」を発表しました。労働契約のルールを明確化するほか、パート・有期労働者の均等待遇も盛り込んでいます。労働時間法制については、健康確保のための労働時間管理という考え方を打ち出し、病気休暇や休職の確保も盛り込んでいます。パブリックコメントでいただいたご意見も踏まえて、通常国会の労働法制議論に臨みます。

セーフティーネットについては引き続き、すべての年金の一元化で、公正・公平で安心、持続可能な年金制度の実現を目指します。

格差は地域の間にも

格差は、個人の間に広がっているだけではありません。地域間格差も深刻です。大企業の本社が集中している東京だけが「税収バブル」に沸いていますが、ほとんどの自治体は財政的に疲弊しています。とくに地方の事態は深刻で、今や「過疎の集落」ではなく、「消滅する集落」だとも指摘されています。

これに対して政府は、“地方ができることは地方に”と言いながら、そのために必要な権限や財源は移譲せず、補助金や交付税ばかり大幅に削減しています。何のための分権かという理念を置き去りにしたまま、国の財政再建を優先しているのです。

そうしたなか、昨年7月、宮城県自治体の代表者が「地方自治危機突破宮城県総決起大会」に結集し、国に対して「『真の地方分権改革』実現のために、国・地方を通じた一体的な行財政改革へと繋がる建設的議論」を求めました。 

民主党は分権革命ビジョンを準備中です。議論の基本として、1)個性を生かすことで地域の魅力を引き出す、2)地域や住民の多様なニーズに適合できる社会をつくる、3)国民主権の観点から住民の参加意識を高める、4)財政に対する住民の監視を働きやすくすることを据えています。私たちが明確に訴えたいのは、財政効率化はこれらの結果であって、目的ではない、ということです。

教育 こどもたちの心の問題

2006年はまた、教育問題への取り組みが待ったなしの状況にあることを、あらためて突きつけた1年でもありました。いじめ自殺がもっとも痛ましく、象徴的な出来事です。

もちろん教員の質の問題について真剣に議論することは必要ですが、責任を現場の先生方に押しつけて済む話ではありません。地域も家庭も、一緒になって取り組む必要があります。

2004年に「地域運営学校制度」が導入され、世田谷区の学校の取り組みには私も感銘を受けました。住民にボランティア登録してもらい、授業の手伝いをしてもらっているのです。民主党は、それぞれの学校が創意工夫をできるよう、すべての学校に「保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家が参画する学校理事会」を設置する政策を訴えています。

終わりに

世界の平和をどう創り、守るか。そのことに平和憲法を持つ日本がどう関わるか。人類の生存がかかる地球温暖化問題にどう取り組むか。日本の姿勢が問われるたくさんの課題が、今年重要な局面を迎えます。その今年、4月には統一自治体選挙、7月には参議院議員選挙が待っています。日本の姿勢を変える一番のチャンスは選挙です。このチャンスを生かせるよう、民主党宮城をあげて闘います。